理想のインパクトを考える

理想のインパクトを手に入れる スイング構築

この記事では、こんなお悩みを持つ方へお役に立てるかもしれません。

  • スライスチーピンで悩んでいる方
  • アーリーリリースで番手通りの飛距離が出ない方
  • 手元の浮いたインパクトを直したい方

結論、これらを直すにはインパクト付近で「フェースが勝手に正面を向く力が掛かっていること」が重要です。

その内容については、「①具体的にどんな力か」「②スイングにどう取り入れるか」「③ドリル紹介」を順番の順で説明していきます。

そして最後まで見ていただき実践することで、こんな状態になることを目指します。

  • フェースの開閉が穏やかになり、左右のミスの幅が小さくなる
  • 下半身主導のハンドファーストで、飛距離が伸びる
  • 手元の低い美しいインパクトを手に入れられる

クラブの重心のお話

ここではインパクト付近でクラブにどういう力が掛かっていればフェース面が安定するのかを考えていきます。

まず前提として、クラブの重心はざっくり「①グリップエンドをつまんでぶら下げたときの地面に垂直な方向」「②クラブを水平に支えられる点からの垂直な方向」が交わるところにあるわけですが、

クラブの重心位置

シンプルにこのクラブが加速しているとき、重心は進行方向の後ろに隠れて安定しようとします。

クラブを加速させたときの重心位置

また減速しているときも、重心は進行方向の前方に出て来ようとします。

クラブを減速させたときの重心位置

なので、インパクト付近で押す力を掛けて加速させようとすると【基本はフェースが開いて右へのミス。それを嫌がって急ブレーキしてチーピン】なんていうのはお決まりのパターンです。

インパクト付近でのクラブの急加速急減速は避けたい動き。

そして私は基本的に、フェースの開閉を穏やかにする(=切り返し後、早めに閉じ始める)ことが理想だと考えています。

フェース面が勝手に正面を向く力

前述の通り、クラブに押す力を掛けるとフェースが開こうとするわけですが、逆にフェースが安定して前を向こうとする力も存在します。

それはクラブを円錐の形で回転させた際に生じる、クラブの重心が上昇しようとする力です。

フェース面が勝手に正面を向く力

それでも急加速した時や、加速の初期段階で重心が後ろに隠れようとするのは変わらないですが、一度流れに乗った後であればクラブの重心は上に上昇しようとします

結果的にフェース面は進行方向を向く形で安定する訳です。

個人的には「重心管理」と呼ばれる動作の中に、「この力をダウンスイング中に利用すること」が含まれていると思っています。

また、このクラブが上昇しようとする力を上から押さえつけてインパクトしていくと、手元が自然と低くなってきます。

ただし回転の方向には注意が必要で、地面と垂直に回転させてしまうと、重心は進行方向の後ろに隠れてしまうので注意が必要です。(もちろん手元は浮きます)

クラブを垂直に回転させる

インパクト付近でクラブを水平方向に回転させ、重心を上昇させる力を掛けると、フェースの向きが安定する

この力は切り返し後~インパクト付近でフェースを安定して前に向かせる際の補助的な役割として大いに活用したいところです。

理想的なハンドパス・クラブパスを知る

それでは実際のスイングに落とし込んでいきます。

まず前提として、手とクラブの軌道は別々で考えていく必要があります。

具体的には、手は上昇かつインサイドに向かう局面」、クラブヘッドは下降かつアウトサイドに向かう局面」でインパクトを迎えるのが理想です。
(基本的にはアイアンでのお話です。ドライバーは「①回転の支点を右足側に置く」+「②ボール位置を左にする」ことで、クラブ軌道もアッパーにします)

手元はアッパーでヘッドはダウンブロー
手元はインサイドで、ヘッドはアウトサイド

特に頭上から見た絵が重要で、手元はインサイドに引っ張ります。

手元(グリップエンド)を左側に引っ張ることでクラブの重心が上昇しようとする力を掛けやすい

フェース面が勝手に正面を向く力

手元もインサイドアウトだと垂直方向の回転になりがち

クラブを垂直に回転させる

練習方法

では最後にその動きを習得していくためのドリルを紹介していきます。

うちわ素振り

こちらは、まず前提として獲得しておいてほしい感覚を養うためのドリルです。

目的

  • インパクト付近のフェースローテーションを抑える
  • インパクト時の左手(甲)の向きを覚える
  • 掌屈を入れながら左腕を加速させる感覚を養う

実践

まず左手(右打ちの人は右手)でうちわを握ります。(面を感じられるなら、うちわじゃなくても良いです)

うちわ握り方

掌屈の感覚が出やすくなるように、ウィーク気味に握るのがポイントです。

そうしたら腕は9時~3時くらいの振り幅で良いので、うちわの面がずっとボールを向くように素振りをしてください。

もちろん最初はゆっくりで良いですが、慣れてきたら体を回しても地面反力を使っても良いので、徐々にスピードを上げていきます。

最終的には、足元で燃えている火を消すくらいのイメージでいきましょう。自然と切り返しで掌屈が入るはずです。

気が向いたら右手でもやってみてください。

長尺素振り

ここからはハンドパス・クラブパスの練習をしていきます。

目的

  • グリップエンドを左側に引っ張ることで、クラブの重心が上昇しようとする感覚を覚える
  • 手元の低いインパクトを作る
  • 体の回転を先行させていく感覚を養う

実践

まずは何でも良いので細長い棒を用意していただき、↓のようにクラブと一緒にグリップしてください。

長尺素振りのアドレス

そして、一緒に握った棒が体に当たらないように素振りしていきます。

イメージが湧かない方は下記を試してみてください。

  • 体の回転によってグリップエンドを左側へ引っ張る
  • (補助的に)上方向のコックを使う
長尺素振りのインパクト
長尺素振りのフォロースルー

これはあくまで感覚を手に入れるためのドリルです。実際に打つ際にはここまでハンドファーストになる訳ではありません。

が、慣れてきたら実際にショートスイングで打ってみても良い練習になると思います。

片手打ち

最後に片手で振っても理想的な動きが出来るようにします。

目的

  • グリップエンドを左に引っ張る感覚片手でも出せるようにする
  • 左手のスピネーションを入れる感覚を覚える
  • 右手の手首の角度をキープし、ハンドファーストでインパクトする感覚を養う

実践

良く紹介される片手打ちの練習ですが、ここでは今まで説明してきた「手元とクラブヘッドの軌道」を意識してください。

  • グリップはスクエアかややウィークを想定しています。
  • 肩のラインや手元の位置が普段と変わらないように、最初に両手でアドレスすることをお勧めします。

まずは左手から。

左片手打ちのアドレス
左片手打ちの切り返し
左片手打ちのインパクト
左片手打ちのフォロー
  • 球が右に出てしまう人 切り返し付近から左手のスピネーション(手の甲をターゲットに向けていくイメージ)を意識してみてください。
  • 球が左に出てしまう人体の回転でクラブを引っ張る意識をしてみてください。

次に右手。

右手片手打ちのアドレス
右手片手打ちの切り返し
右手片手打ちのインパクト
右手片手打ちのフォロースルー

右手首の角度はなるべくキープしたまま、左下にずっと引っ張り続けるイメージ。球が高くなり過ぎないように抑えた感じで打てると良いと思います。

右手と左手どちらも軽いドロー回転が掛かり、クラブの重心が上に浮いてくる感覚が掴めればOKです。

まとめ

最後にこの記事で伝えたいことのまとめです。

  • インパクト付近で急加速(フェースが開く)・急ブレーキ(フェースが閉じる)は厳禁
  • クラブに水平方向の遠心力を掛けることで、フェースは勝手に正面を向こうとする
  • インパクト付近では、グリップエンドを左側へ引っ張ることでクラブの重心が浮こうとする力を掛けたい

みなさんのスイング構築のお役に立てると嬉しいです。

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